グリーンバナナパウダー

腸活で認知機能や心の健康を守る腸と脳の深い関係

■乳酸菌・ビフィズス菌の摂取で認知機能が改善 佐治副センター長は「食事と認知機能の関係に着目している」と話す。だが、腸内環境の改善が期待される食品類で認知機能にいい影響がある、というデータはあるのだろうか。 生きた乳酸菌やビフィズス菌を食品としてとることをプロバイオティクスという。このプロバイオティクスの摂取ではいくつかの研究報告がある。 アルツハイマー型認知症と腸内細菌の関連性はまだ明確な結論には至っていないが、アルツハイマー型認知症の患者60人を半分に分け、3種類の乳酸菌と1種類のビフィズス菌が入った牛乳を12週間飲む群と、普通の牛乳を飲む群を比較したイランの研究では、前者で認知機能を評価するMMSEというテストのスコアが有意に改善した。血中脂質の酸化度を示す指標(MDA)や体で起きている慢性的な炎症の強さを表す指標(高感度CRP)なども低下し、酸化度や炎症も改善していた[注2]。 森永乳業がビフィズス菌で効果を調べた研究がある。軽度認知障害(MCI)の疑いがある人27人を対象に6か月間毎日、特定のビフィズス菌を摂取してもらい、認知機能への影響を調べた研究だ。このビフィズス菌の摂取期間が長くなるほどMMSEテストのスコア上昇が確認され、ビフィズス菌摂取による認知機能改善の可能性が示唆されたという。 この研究に先立ち行われたアルツハイマーモデルマウスを使った研究では、同じビフィズス菌の摂取で、空間認識力および、学習・記憶能力の低下が抑制され、記憶や学習に関わる海馬で遺伝子変異や炎症などが抑えられていた[注3]。

「アルツハイマー型認知症の患者は、健康な人に比べ、腸内細菌の多様性が低く(細菌の種類が少ないこと)、ビフィズス菌の占有率が低いという報告がある。ビフィズス菌摂取による腸内環境の変化が、免疫反応を介して脳内での炎症を抑制したことで、認知機能の改善につながったのではないかと推察している」と森永乳業基礎研究所の清水金忠所長は推測する。 この話を踏まえると、腸内のビフィズス菌量が増えることも、認知機能の維持や改善につながる可能性を秘めていそうだ。ビフィズス菌の餌である食物繊維類を食べ続けたらビフィズス菌量が増えたというデータは多くあるので、食物繊維類をしっかり食べることも心掛けるようにしたい。

国立長寿医療研究センターが実施した8年にわたる食事と認知機能の調査でも、ビフィズス菌や食物繊維の摂取により腸内で産生される短鎖脂肪酸という物質が増えると、認知機能低下リスクが抑制されると報告されている[注4]。 また、動物試験ではあるが、高齢のマウスの餌を高食物繊維食にすると、アルツハイマー型認知症と関連が指摘される海馬での炎症が緩和されるという報告がある。この試験では、高齢での食物繊維不足が、腸の機能低下を介して脳に影響を与える可能性が示唆されている[注5]。人での研究が待たれる。
[注2]  Front Aging Neurosci. 2016 Nov 10;8:256. eCollection 2016.
[注3]  Sci Rep. 2017 Oct 18;7(1):13510.
[注4] 日本栄養・食糧学会誌 68: 101-111,2015
[注5]  Front Immunol. 2018 Aug 14;9:1832

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