腸活ニュース

腸内フローラ整えやせ体質に 穀物で取るMACsカギ

7/27(土) 10:12配信

ここ数年、一世を風靡した糖質オフダイエット。甘いもの、米やパン、麺などを避けて血糖値上昇を抑え、効率よくダイエットする方法だ。糖質をカットした商品が続々出現し、ご飯やパンを使わない外食メニューが多数考え出された。
だが、筋肉を育てるなら、糖質は無くてはならない存在だ。せっかく運動しても、「糖質を取らない状態が続くと、筋肉が分解されエネルギー源として使われてしまう」(立命館大学スポーツ健康科学部の藤田聡教授)どうせ糖質を取るなら、太る原因にならないよう、最善の形で取り入れたい。キーワードは「食物繊維」だ。

■特に取りたいのが「水溶性食物繊維」

食物繊維と聞くと野菜のイメージがあるが、大妻女子大学の青江誠一郎教授は、「日本人の食物繊維摂取源として大きいのは穀物。それをカットすると食物繊維が不足する」と言う。
食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維がある。なかでも積極的に取りたいのが、水溶性食物繊維だ。
水溶性食物繊維はまず胃・小腸での消化・吸収をゆっくりにして血糖値の急上昇を避ける作用があるが、それだけではない。大腸に到達したときに、腸内細菌の餌となり、酪酸、酢酸、プロピオン酸などの「短鎖脂肪酸」が生まれる(腸内発酵)。これが全身に好影響を及ぼす。
「全身に短鎖脂肪酸のセンサーがあり、栄養状態を測っている。短鎖脂肪酸が足りないと、脂肪細胞は脂肪を蓄積するよう働く。脳にもセンサーがあり、体が危機的状況にあると判断して食欲を増大させてしまう」(青江氏)。短鎖脂肪酸は、消化管ホルモンのGLP-1の分泌を促し過剰なインスリン分泌を抑制する働きもあり、血糖値を上げにくくする。つまり、短鎖脂肪酸は「やせ体質」をつくるというわけだ。


「腸内発酵は4~5時間かかるため、一度水溶性食物繊維を取れば、次の食事時にその作用が発揮される。2食にわたって血糖値が上がりにくくなる」(青江氏)。これを「セカンドミール効果」という。朝食で食物繊維をしっかり食べれば、昼食で気を抜いても大丈夫。「間食もいい。先取りして間食を食べ、夕飯を減らすのは理にかなっている」(青江氏)。
では、何を食べるべきか。水溶性食物繊維が玄米の数倍含まれる優秀食品が、大麦だ。なかでもプチプチとした食感のもち麦は、ご飯に混ぜても食感を損なわず、健康食材として定着した。ローソンが2012年にもち麦を使ったおにぎりを販売しており、17年にはセブン-イレブンも追随。「おにぎりは豆や昆布も一緒に取れるのがいい。全粒粉やライ麦を使ったパンも腸内発酵を促進する」(青江氏)。食物繊維の多い海藻や根菜なども一緒に取るとさらにいい。

■ほかにもある!腸内発酵を促す成分

腸内発酵を促す成分は、水溶性食物繊維だけではない。炭水化物に含まれる消化されにくい「レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)」にも同様の作用があり、こうした成分を「MACs(Microbiota-accessible carbohydrates〔腸内細菌が利用できる食物繊維:MACs〕)」と称して摂取を促すことを、スタンフォード大学のソネンバーグ博士が提唱している。


「レジスタントスターチはジャガイモに多く含まれ、特に調理後に冷めたジャガイモには多い。また、小豆にも多く含まれる。ラットの実験では砂糖が多く入った小豆を食べても、腸内発酵が進むことが分かっている」と、レジスタントスターチに詳しい帯広畜産大学の福島道広教授は言う。糖質オフには敵と見なされる食材だが、実はダイエットの味方ともいえる。
水溶性食物繊維とレジスタントスターチの両方を含むのが、「スーパー大麦(バーリーマックス)」だ。オーストラリアで開発された大麦で、帝人が16年に日本で展開した際は品薄になったこともあった。商品数も増え、ファミリーマートではおにぎりや弁当の販売も行う。「食物繊維のバリエーションがある方が腸内環境のためにはいい。バーリーマックスは様々な成分を含む点が優れている」と、青江氏は言う。
抜粋転記 [日経トレンディ2019年7月号記事を再構成]

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